1回目
<4月掲載文> |
はじめまして。
今春より執筆させていただくことになりましたので、よろしくお願 い致します。
現在、私は県内外で「クラップス」というチアリーダーチームを運営し ていますが、様々な活動を通して出会った方々との思い出や感じたことなどをお伝え
していければと、とてもわくわくしています。忙しい日々の生活の中で、感じたこと を言葉に表すということは、非常に難しいことですが、とても大切で、さらにこうし
て書き留めることができるのは素晴らしいことだと思います。
以前、ラジオのリポーターをしていた頃にこんなことがありました。新人として中 継先から現場の天気や情景を伝えなくてはいけない時に、「ただ今こちらの天気は晴
れです」と一言だけで片付けてしまい、スタジオに戻ってから先輩に怒られたことが ありました。「一口に晴れといっても太陽はどんな風に輝いているのか、雲はどんな
風に流れているのか、空の色は、行き交う人々の服装は、道端に生えている草花の種 類や咲き方などは。どの程度晴れているのか全くわからなかった」と。いかに自分が
表現力に乏しいかを思い知らされ、普段の生活の中で「感じる」という行動を何気な く流してしまっていることを実感させられました。 ある画家の方と同席する機会があった時も、「今の子供達はチューリップの絵を描
かせてもみんな同じ赤い花しか描かない」と嘆いていました。チューリップも黄色や ピンクなど様々な色、種類があり、角度や時間によっても感じ方が違うのに、今の子
供達にとってそれだけ自然のものに触れる機会が少なく、触れても感じることができ ないのかなと、可愛そうな気がしました。
当チームにも、たくさんの子供達が所属しています。その子供達と一緒に県内外の 市町村に出掛けていって地元のお祭りやイベントに参加させていただいていますが、
会場へ向かう途中の景色は、自分達が住む町では見ることのできないものばかりで す。ステージでも、太陽に照らされて汗だくになることもあれば、雨でずぶぬれにな
ることもあります。様々な状況の中でイベントに参加し踊り続ける子供達は、活動を 通して自然や季節を肌で感じることができる環境にいます。 踊って自分の気持ちを表現するだけでなく、感じる力や感じたことを表現する力を
私自身も子供達と一緒に学びながら、この執筆に生かしていければと思います。これ からの季節、桜舞うステージで皆さんとお目にかかることが、とても楽しみです
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2回目
<5月掲載文>
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春を迎え、私にもたくさんの新しい出会いがありました。常日頃、イベントなどで県内外各地を飛 び回っているのですから、いつもたくさんの出会いがあるのですが、この季節は、初々しい顔ぶれが
多く、今後に期待膨らむ出会いばかりです。 先日も宮城県仙台市の観光をPRする「杜の都親善大使」の教育の仕事に出掛けてきました。ここ 数年担当しており、今年も多数の応募者から選ばれた3人の女性と出会いました。
私もいわき市をPRする「サンシャインレディ」を経験したことがありますが、いずれも昔は「ミ ス仙台」「ミスいわき」と称され、主にキャンペーンの仕事というより、各種式典などの介添えとい
った華のある仕事が多いようでした。 しかし、ミスコンへの風当たりや、男女共同参画を目指す社会の流れもあってか、「ミス仙台」か ら「杜の都親善大使」、「ミスいわき」から「サンシャインガイドいわき」というように名称も変わ
り、コンテストの募集対象も未婚・既婚・年齢・性別を問わず、門戸が広がってきました。 仕事内容としても、介添えもこれまで通りあるようですが、時には観光パンフレットを配布すると
いう作業もあれば、プロ野球の始球式を務めたり、他県へ出向き街頭で観光や物産をPRすることも あるということで、活動の幅が広がっているのが現状です。
教育の内容も、以前はお作法を中心に学ぶことが多かったようですが、ミスから大使に変わった今 、必要なのはお作法だけではないのではと、現在、私が担当する講義では、「モデルのような身のこ
なし、アナウンサーのようなわかりやすいトーク、役者のような現場にあわせた自己表現」を目指し 、指導にあたっています。 具体的には、リーフレットの持ち方から配り方まで、話の組立方から話し方。そして、現場に応じ
たコミュニケーション術といった内容です。 今年の大使は、それなりに社会経験を積んだ女性達ばかりでしたが、緊張や真面目さからか、いざ 一人ずつPRをしてもらうとパンフレットを丸暗記したようなありきたりの内容ばかりが返ってきま
した。 しかし休憩中、リラックスした状況で話してみると、隠れた名所やお土産、またそれらにまつわる ルーツなど地元人だからこそ知るネタをたくさん持っていることを知り、彼女たちに、型にはまらず
自分の持っている引き出しをどんどん活かしてPRをして欲しいということも伝えました。
毎年、審査会は前年度の大使が会場内の案内を務めます。一年の経験を積んで、最後の仕事となる 審査会で、自信に満ちた大使たちに会うことが今からとても楽しみです。
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3回目
<6月掲載文>
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「絶対にチアリーダーになって東京ドームに立つ」。この目標を友人 たちに宣言していた高校三年生の時のことを、はっきりと覚えています。 現在、私は地元の高校で講師としてチアリーディングを教えています。県内でも珍
しい、チアリーディングの授業です。興味深い授業を取り入れて生徒たちに充実した 高校生活を送ってもらいたい、という学校側の考えで、その一つにチアリーディング
が選ばれました。 依頼を受けてはじめて生徒たちと会った時に、いくつかの質問をしました。「どう してチアを選択したの」「夢や目標はあるの」。生徒たちはどの質問に対してもあい
まいな答えばかりで、私は戸惑いました。というのも、これまで部活動の指導が多 く、チアリーディングに対して目標をもったやる気のあるメンバーとしか触れ合った
ことがなかったからです。 この子たち大丈夫かしら?不安は的中しました。一カ月で一人、二人と減り、先行 き不安になるばかり。私の授業が彼女たちに目標を持たせることができなかったから
なのかなと考え、悩みました。 しかし多少の温度差はあるものの、授業を重ねるたびにそれなりに頑張ることがで きる生徒たちだということが分かってきたので、ある程度基本の動きができあがって
きたところで、授業の中での目標について自分たちで話し合って決めるよう提案しま した。 一週間後の彼女たちの答えはいかに。私は緊張しました。結果は「かっこいいダン
スを踊りたい」「部活の応援に連れて行ってもらえるようになりたい」という、とて も前向きなもの。嬉しくなり、彼女たちの答えを受けて私がいくつかのパターンのダ
ンスを踊ってみせ、着てみたいというユニフォームを実際に着せてみました。イメー ジが湧いたらさらにやる気が出てきたのか、以前より動きも態度も良くなってきまし
た。 生活指導の先生が授業に顔を出したときのこと。以前は靴のかかとを踏んづけてい たり、化粧をしていた生徒たちが「生活態度から見直して、周りの人から認めてもら
えるようになりたい」「目標ができたから最後まで頑張りたい」と、覚えたてのダン スを披露し、応援やイベントへの参加を認めてもらえるように懇願している姿を見
て、涙が出ました。授業をはじめてから三カ月目でした。 私自身、目標ができるまではただ高校生活を送っていましたが、目標を持ち始めて からの毎日は、上京に必要な勉強も生徒会活動も頑張っていたような気がします。
その二年後、はじめて東京ドームに立った時、約束した高校時代の友人たちを招待 しました。今度は、私の教え子たちがこの夏、野球場のスタンドに友人たちを招待す
る番です。私もまずは彼女たちのデビューを最高の舞台にしてあげられるようお互い 目標に向かって、一緒に頑張っています。
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4回目
<7月掲載文> |
いよいよ夏本番。夏祭りなどイベントが多くなるこの季節、私が運営するクラップ
スチアリーダーズも出演機会が増え、全員練習に熱が入っています。さまざまな地域
のイベントに参加しているクラップスですが、もう一つ、老人福祉施設への慰問活動
にも力を入れています。
慰問の狙いは「お年寄りと触れ合い、元気を届ける」ことです。以前、幼稚園を訪
ねたとき園長先生から「お年寄りを見てなんで腰が曲がっているんだろうとか、顔が
しわしわなんだろうと不思議がる子どもが多い」という話を聞き、とても悲しくなり
ました。
私は両親が共働きで、小さい頃から祖父母にも面倒をみてもらったこともあり、お
年寄りは身近な存在でした。祖父とは湯本温泉の銭湯に通い、そこで近所のお年寄り
にも遊んでもらいました。祖母には人形の洋服を作ってもらったり、作り方を教わっ
たりしました。祖父母は入退院を繰り返していたため、休日は一人で病院に行き一日
を祖父母のとなりで過ごすことも少なくありませんでした。
また小学校時代、お年寄りが腰を曲げながら学校の草むしりやトイレ掃除をしてく
れていた姿を見て感謝の気持ちを伝えたくて、敬老の日に名乗らずに健康茶を贈った
こともありました。
クラップスの子どもたちと接しているうちに、園長先生が話していた子どものお年
寄り離れをチアリーダーの立場からなにかできないかと考え、お年寄りと触れ合いな
がら元気を届けてもらいたいと慰問を始めました。
ある日、子どもたちを連れて慰問に行ったときのこと。出演が終わり、控え室で子
どもたちに感想を聞いたところ、第一声は「疲れた」ということばでした。何のため
に子どもたちを連れてきたのか、その思いが伝わらなかったことが本当に悲しくて肩
を落としました。
それからはメンバーは勿論、保護者にもこのように話すことにしています。「な
ぜ、私たちがおじいちゃんやおばあちゃんに会いに行くのか。それはチアリーダーと
して、私の住むこの街をつくってきてくれたおじいちゃんやおばあちゃんに感謝の気
持ちを込めて、元気を届けに行くから。ただダンスを踊りに行くのではない」と。
慰問する施設のお年寄りは元気な人や痴呆が進んでしまった人などさまざまです。
はじめは子どもたちもお年寄りとどう接して良いのかわからない様子でしたが、最近
ではコミュニケーションをとる練習を行っている成果が出てきたのか、自分から歩み
寄って話しかけたり、一緒に手拍子をしてもらったりすることができるようになりま
した。
家族を思い出してか、子どもたちを見て涙するお年寄りの姿も見られます。この経
験が子どもたちの優しい心を育ててくれると信じています。私にも一人暮らしをして
いる祖母がいるので、時間があるときには会いに行きます。土産話をもって、元気を
届けに。
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